ほとんど税金ゼロのドバイの税制とは?

ドバイはほとんど税金がかからない国として有名です。
そこでこの記事ではドバイでの税金に関して説明をしていきます。

ドバイを含むUAEは税金の負担をかけないようにしてきました。2020年に原油収入の落ち込みによりVATが15%に引き上げになりましたが、これは一時的な対応でありまた5~10%にさげるとしています。また2023年から法人税を導入して、原油に頼らない国の運営方針をかかげています。

法人税

UAEの国々では法人税は徴収されていません。これは外国企業誘致をかかげてきたためです。しかしドバイでは累進課税となっており、法人税は以下のように設定されています。

しかし2021年現在この法令の対象となっているのは、外国銀行支店と石油・ガス・石油化学会社だけとなっています。今後課税対象が広まっていく動きになるといわれていますが、現状では法人税はほぼゼロといって過言ではありません。

100万ディルハム未満 非課税
100万ディルハム以上  課税
500万ディルハム以上  税率55%

また2023年以降UAEにおいて、法人税を導入すると発表しています。法人の課税取得に対して、税率は9%となります。年間所得が37万5,000ディルハム(約1,163万円)を超えるUAE国内の企業が対象となります。

しかし年間所得が37万5,000ディルハム以下の企業は対象外であり、また個人所得も対象外です。さらに外国投資家に関しても非課税のままです。

所得税

個人事業主も含めて、所得税は非課税になります。

2021年4月28日のロイター通信にて、サウジアラビアのムハンマド皇太子が所得税を導入する予定がないことを発表しています。
参考:ロイター

物品税

2017年10月に、いかのように電子タバコや炭酸飲料、エナジードリンクなどに物品税が導入されました。
炭酸飲料以外は100%となっており、高めの設定です。

たばこ及びたばこ製品:100%
電子たばこ機器:100%
電子たばこ機器用の液体:100%
炭酸飲料:50%
※砂糖や他の甘味料を加えたもの。
※飲料に変換できる液体、濃縮物、粉末などを含む。
※炭酸水は除く。
エナジードリンク:100%
甘味(砂糖や他の甘味料を加えた)飲料:100%

引用:Jetro

不動産取引税

ドバイでは不動産取引は全て非課税となっています。
しかしアパートや店舗賃料など以下の項目で説明しているように、実質税金として手数料が必要になります。

関税

ドバイはGCC(Gulf Cooperation Council)とよばれるUAEやバーレーン、オマーン、カタールなどで設立されている国家間の連携体制に属しています。

GCCでは加盟国の間での貿易をスムーズに行うため、関税の規制緩和を取り入れています。そのためドバイではGCC統一関税法が適用されます。

その特徴として、以下の物品が免税されることがあげられます。

● 生鮮野菜、鮮魚、医薬品、書籍、雑誌など、GCC対外共通関税率により無税と規定されているもの
● GCC諸国原産の製品
● 再輸出を前提とした輸入品
● 個人の身の回り品
● 政府に認定された外国公館による輸入品
● UAE国防軍による輸入品
● 慈善団体による輸入品
● 経済省発行の工業ライセンスを持つ製造業者が輸入する原材料、半製品および機械設備
● その他、国内法令などにより関税免除が認められた物品

引用:Jetro

付加価値税(VAT)

ドバイでは2018年1月に付加価値税(VAT)5%が導入されました。2020年に15%に引き上げになったのですが2021年4月28日のロイター通信にて、サウジアラビアのムハンマド皇太子が

「VATの引き上げは一時的なものであり1~5年後には5~10%にさげる」と話しています。
参考:ロイター

以上のようにドバイでは、基本的に税金による国の運営をしないことを掲げています。また2020年にVATを引き上げた理由ですが、原油収入の落ち込みによるものです。

いかのような急激な落ち込みであることから、VATの引き上げが緊急対応であることがわかります。

参考:ニッセイ基礎研究所

ドバイが税収がなくて成り立つ理由とは?

それではなぜドバイは税収がほとんどなくて、国が成り立ってるのでしょうか。
原油収入がある他、税金にかわる手数料があることがあげられます。

手数料の徴収

アパートや店舗賃料やホテルなどに対して以下のように手数料が必要です。

アパート(年間):賃借料の5%
事業資産(年間):賃借料の5%
ホテル、レストラン、娯楽施設:7%
※ホテル施設等の宿泊客には、別途1室1泊当たり7~20ディルハムのツーリズム・ディルハム(宿泊手数料)が上限30日分について課せられる。
アルコール:30%(消費税)

引用:Jetro

法人においての更新料(ライセンス料金)

ドバイでは外国企業の会社を設立するときに、経済省の外国企業登記簿に登録するときに、手数料が1万ディルハム、銀行保証金が5万ディルハム必要です。

さらに毎年更新時に更新手数料として1万ディルハムかかります。
参考:Jetro

新規登録には以下の3点が必要なのですが、Cの銀行保証書を出すためにも銀行保証金が必要になります。

「ライセンスコピー支店代表者に対する委任状銀行保証書」
引用:Jetro

しかし上記の手数料が必要になるのは、企業がフリーゾーン外にある場合です。企業がフリーゾーン内にある場合は、手数料はかかりません。

フリーゾーンでは以下のような優遇処置があります。

● 100%外国資本による会社所有が可能
● 法人税、所得税が50年間免除
● ローカル・スポンサー不要
● 保税区

ドバイに移住する税制面でのメリットとは

ドバイでは税金がほとんどかからないことから使えるお金が増えることや、 さらに税務申告をする必要がありません。

使えるお金が増える

ドバイは所得税がない分、給与から所得税がひかれることはありません。

つまり手取り額は増えるメリットがあります。そのため手取りで考えると、日本よりも収入が増えるといったケースもあります。

税務申告は不要

ドバイでは日本の確定申告のような税務申告をする必要はありません。

毎年の手間を考えるだけでも、ドバイにする税制面のメリットがあるといえます。

ドバイは税制面では移住先としておすすめ

ここまでドバイの税金に関して説明をしてきました。

2020年に原油収入の落ち込みにより、VATが15%となっていますが、今後5〜10%までさげるとしています。

また法人税が2023年からかかりますが、年間所得が37万5,000ディルハム(約1,163万円)までは非課税です。

その他にもアパートの賃料やホテル利用などで手数料がかかりますが、所得税や住民税など個人的にかかる税金はVAT以外は無料です。

相続税も必要ないため、何代も続けてドバイに住む場合でもお得です。

法人税は2023年より導入予定ではありますが、年間所得が37万5,000ディルハム(約1,163万円)以上の場合のみ9%の課税となります。

日本の法人税が23.2%であることを考えると、課税対象となってもまだお得です。

またフリーゾーン内であれば法人ライセンスの手数料もかかりません。このためドバイは税制面の負担は他の国と比べても小さいといえます。

第二公用語は英語であり、さらに犯罪率が低いことに税制面でもメリットがあるドバイは、移住先としておすすめです。

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