シンガポール

近年、急速に発展を遂げている、アジアの先進国、シンガポール。

シンガポールの1人あたりのGDPは、約6.5万ドル(約670万円)であり、日本の約4.0万ドル(約412万円)よりも高く、アジア諸国において第2位です。

常に発展を続けているシンガポールでは、インフラの充実や治安の良さだけではなく、税制や資産運用の面でもたくさんの魅力があります。

しかし、その一方、東京で生活するよりもコストがかかる点は、シンガポールに移住する上でデメリットとなってしまうでしょう。

本稿では、そんなシンガポールへの移住を検討している人に向け、税制にフォーカスを当て、詳しく解説していきます。

実際にシンガポールへ移住する前に、税制について知っておけば現地で生活を送る上で必ず役立つはずです。

最後までお読みいただければ、シンガポールに移住することで享受できる「税制上のメリット」について理解が深まります。

是非、参考にしてみてください。

シンガポールの消費税はどのくらい?

日本における消費税は、シンガポールでは物品・サービス税=GST(Goods and Services Tax)と呼ばれており、199441日から導入されました。

標準税率は7%ですが、2021年~2025年までの間に9%に引き上げられる予定です。

GSTは、住宅不動産以外のすべての物品・サービスに対して課税されます。

シンガポールの所得税はどのくらい?

シンガポールで得た所得にかかる税率は、シンガポールにおける「居住者」(年間183日以上シンガポールに滞在している)」として認められているかによって、以下のように異なります。(不動産収入や役員報酬などには一律で20%の税率が適用される)

・シンガポールに住んでいる(滞在期間が1年で183日以上)

0%~20%までの累進課税制度が適用される

 

・シンガポールに住んでいない(滞在期間が1年で61日~182日以下)

15%、または「シンガポールに住んでいたと仮定した場合の税率」のどちらか高い方が適用される

また、以下の所得は非課税となっています。

  • 一部の指定された金融機関から受け取った利息
  • キャピタルゲイン
  • シンガポールの法人から受け取った配当金

 

シンガポールには、日本のような源泉徴収制度はありません。

指定されたウェブサイトからオンラインで確定申告を行うことにより、所得税額が決定されます。

確定申告の期限は毎年4月18日です。

シンガポールの法人税はどのくらい?

シンガポールの法人税率は17%であり、世界的に見ても税率が低い国の一つです。

さらに、軽減税率をふまえると、所得額が200,000シンガポールドル以下の場合、税率が8.3%程度となります。

加えて、その他の特別措置を併用すれば、税負担は日本と比べて大幅に軽減されます。

シンガポールの印紙税はどのくらい?

印紙税とは、経済取引に伴って作成する金銭の領収書や契約書など、特定の文書に対して課税される税金のこと。

日本では、以下に示す様々な文書に対して印紙税がかかります。

しかし、シンガポールにおける印紙税の課税対象は以下の「株式取引」「不動産取引」に限定されるのです。

  • 株式取引

・株式譲渡契約書、譲渡証書

・株式担保ローン

  • 不動産取引

・不動産のリース・賃貸借契約書

・不動産の譲渡契約書

・住宅ローン契約書

 

シンガポールでは、以下に示す文書に対する印紙税はかかりません。

  • 保険契約に係わる文書
  • 無形資産の取引に係わる書類
  • 不動産・株式以外の債権・債務・不動産
  • 株式が関わらないローン
  • 手形、遺言

シンガポールの不動産税はどのくらい?

シンガポールにおける不動産税は、毎年、12月末に請求され翌年1月末までに支払う仕組みとなっています。

不動産税は、「固定資産として物件を所有していることにかかる税金」です。

そのため、家賃収入に課せられる個人所得税とは異なります。

つまり、不動産税は、所有している物件が貸し出されていなくても、一律で課せられる税金ということです。

 

また、シンガポールにおける不動産の家賃は、政府により決定され「年次価値」とも呼ばれています。

この年次価値は、個人所得税の申告時や課税所得を計算する際にも用いられている重要なもの。

不動産税額を決定する際も、以下のような計算式が用いられています。

「不動産税額=年次価値×その年の不動産税率」

日本にあってシンガポールにない税金とは?

シンガポールにおいては、以下の税金がかかりません。

  • 不動産や株から得た利益に対する課税(キャピタルゲイン税)
  • 住民税
  • 贈与税
  • 相続税(2008年に廃止)

これらの税金は、日本ではすべて課せられてしまうのです。

シンガポールに移住すると得られる税制上の5つのメリット

ここからは、シンガポールに移住することで得られる、税金についての5つのメリットを解説します。

メリット地域統括本部制度(RHQ

アジア太平洋地域における企業活動の統括拠点をシンガポールに置いたうえで、経済開発庁(EDB)による認定を受けた企業は、その所得の増加分に対し、最大5年のあいだ、15%の 軽 減 税 率 が 適 用 さ れ ます。

これが、地域統括本部制度(RHQ)です。

経 済 開 発 庁では、地域統括本部(RHQ)の恩恵を受けるためには、以下の要件を満たす必要があるとしています。

  • 3か国以上の国外ネットワーク会社に、3つ以上の本部サービスを提供すること
  • 制度の適用開始から1年以内に、払い込み資本金が200,000シンガポールドル以上、3年以内に500,000シンガポールドル以上になること
  • 制度の適用期間中、従業員の75%以上が国家技術資格2級以上の資格を有すること
  • 制度の適用開始から3年以内に、専門識者を10名以上追加で雇用すること
  • 制度の適用開始から3年以内に、上位5名の管理者の年収が100000シンガポールドル以上になること)
  • 制度の適用開始から3年以内に、年間の事業支出が200万シンガポールドル以上増え、累計の事業支出が300万シンガポールドル以上増えること

メリットグローバル・トレーダー・プログラム(GTP

2001年6月に、シンガポール国際企業庁によって施行されたグローバル・トレーダー・プログラム(GTP)は、国際貿易会社(シンガポール所得税法により認可された会社)が、シンガポールをグローバルな経済活動の拠点とすることを促すための制度です。

グローバル・トレーダー・プログラム(GTP)は、以下の商品および製品に関する国際貿易取引を行い、アジア周辺地域の貿易センターとして、シンガポールを活用しようとする企業に適用されます。

  • エネルギー商品・製品
  • 農産物
  • 食料品
  • 工業製品

グローバル・トレーダー・プログラム(GTP)の認可を受けた企業は、指定された商品および製品の貿易事業から生まれた利益に対し、 5%もしくは 10%の軽減税率が適用される優遇措置を受けることができるのです。

その後も、要件を満たせば 5 年間の適用延長が可能となります。

メリット国外投資先からの所得に関する税制

シンガポールでは、サービス収益について、国外源泉所得が国外で課税対象であること、国外の法人税率が15%以上であることを満たせば、国外にある支店の収益、シンガポール国外からの配当金に対する税金を免除しています。

メリット金融財務センター

シンガポールでは、一定の条件を満たすと、財務アドバイザーが提供した所得や外貨建て株式等からの所得・配当金に対し、最大で10年のあいだ、10%の優遇税率が適用されます。

メリット租税条約上のメリット

正式名称が「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び、脱税の防止のための、日本国と相手国との間の条約」である租税条約。

シンガポールは、69か国と租税条約を締結しています。そのため、シンガポール経由で投資を行うことには大きなメリットがあるのです。

メリットパイオニア・インセンティブ

経済開発庁(EDB)からパイオニア・ステータスの認定を受けた企業は、最長で15年の間、法人所得税が免税となります。

認定を受けるための明確な基準は、経済開発庁(EDB)からは明示されていません。

認可の有無は当局との交渉によって決定されます。

シンガポールの税制を理解しメリットを最大限に生かそう

シンガポールに移住すると、以下に示すたくさんのメリットを享受できます。

  • 相続税がかからない
  • 贈与税がかからない
  • キャピタルゲイン税がかからない
  • 所得税の最高税率が20
  • 法人税の最高税率が17

このように、シンガポールの税率はとても低く設定されています。

さらに、シンガポールに住むことになったとしても、年金や不動産所得などの、国外で得た所得に対する税金はかかりません。

そのため、シンガポールは、外国人が資産を運用したり、起業したりするにはとても有利な国なのです。

実際に「節税」を目的にたくさんの富裕層がシンガポールに集まってきています。

シンガポールに移住する際は、たくさんのメリットを享受できるよう、事前に税制についての理解を深めておきましょう。

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